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ライトチニング釣り方3選(最初の1尾を釣るために)

記事の内容

 チヌをルアーで釣るチニングについて、ライトゲームスタイルの始め方について紹介しています。まず1尾釣るために必要なことをまとめましたのでご参考ください。

 チヌを釣る!となるとちょっと敷居が高いように感じますが、近年盛んになってきているチニング(チヌをルアーで釣る方法)ではびっくりするほど手軽に釣れることもわかってきています。
 そんな中でも、特にライトタックルで狙う”チヌのライトゲーム”について紹介していきます。

今回は、

  • チヌを手軽で身軽なライトゲームで狙いたいけど、どうやって始めればいいの?
  • ライトゲーム経験者で、チヌも狙いたい(手持ちの道具を流用したい)けど、どうすれば良いかな?

といった疑問に答えていきます。


向田
チヌ自体は生活圏のすぐ近くにいるため、十分ライトゲームで狙うことができます。ただ、それでもチヌです。闇雲にやってもなかなか釣果にはつながりません。
チヌ吉
そうだよ〜。いつもそばにはいるんだよ、気付いてないだけでね。でもね、ボクらは慎重で臆病だから、見え見えのルアーには反応しないよ!
向田
ポイントはチヌに遭遇できる場所とタイミングをつかみ、違和感なくエサ(ルアー)を見せてあげることです。一見難しそうですが、コツさえ掴めば釣ることは十分可能で、自分なりのパターンをまずは一つマスターしてみましょう!そのための方法を紹介していきます。

チヌのライトゲームはお手軽で身近!

 「ちょっと今日は早めに仕事が終わりそうだな〜。帰りに1〜2時間チヌを狙ってみるか!」

といった、手軽な釣りスタイルがライトゲームの一面にあります。また、必要な道具がコンパクトでフィールドも近くにあることから、ちょこっと釣りでもちゃんと大物が狙える醍醐味があります。

ちなみに、ライトゲームの定義ですが

ライトゲームの定義

・7〜8ft程度の軽量リグを扱うルアーロッド
・2000〜2500番程度の比較的小型リール
・メインラインはPEで0.3〜0.8号前後
・15g以下の軽量ルアー

がおよその目安ですが、こうじゃないといけない!っていう決まりはありません。

 このくらいのタックルパワーで釣りを行うと、アジやメバルなどの比較的小型魚とのやりとりが増幅されて面白くなるほか、軽量リグとごく細ラインの使用によって食いが良くなるといったメリットが発生します。

 一方で、リグが軽いため飛距離が短く、探れる範囲が少し狭くなります。また、急な大物がかかった時にはドラグ調整やラインバランス、組み合わせなどに工夫がないと根に潜られて、ラインブレイクの可能性があります。しかし、それも含めて知識と技術でカバーする楽しみがあります。


具体的なタックルと装備、費用感

 もし、一から道具を揃える場合はチニング専用のロッドをおすすめします。チヌ狙いではボトムズル引きなど底を意識したアクションでルアーを操作することが多く、比較的先調子の竿が使いやすい傾向にあります。

 リールについては、スプール径が大きいほどフロロカーボンラインなどリーダーに巻きグセが付きにくく(巻きグセは魚に警戒感を持たせます)有利ですが、ロッドとパワーバランスを考慮して使いやすいサイズを選びます。リール自体の重さも操作性に影響があります。

 シーバスロッドやエギングロッドをすで持っている場合は、ロッドとリールを転用可能です。
 メインラインもPE0.6号前後であれば巻き直す必要はありません。

タックル一覧

あくまで私が使っている一例ですが、

・ロッド:アブガルシア、Salty Style Kurodai (ソルティースタイル クロダイ)STKS-782L-KR、7.8ft(16,000円)
・リール:アブガルシア 、RevoMGX2000S(35,500円)
・メインライン:バークレー、スーパーファイヤーライン0.8号(2980円)
・リーダー:シーガーエース1.5号(10m巻き、670円)
※価格表記は定価です。

 ロッドとリールは良いものほど気持ちよく釣りができるのは間違いありません。
 ただ、昔ヘラブナ釣りをしていた時に、友人がそこら辺に生えている竹を切ってきて竿にし、割り箸をウキがわりに使って、高級装備を揃えたベテランよりも沢山釣っていました。あくまで、腕ありきという前提を忘れずに、気に入った道具で楽しみましょう。

 その他の装備としては、ランディングネットは必須です。足場が高い場合は、大物だと2、3キロの重量となるため引き抜きができません。竿が折れたら悲しいです。
 また、小道具は他の釣りと変わりありませんが、フィッシュグリップはあった方がいいです。クロダイの歯は強靭なため下手に掴めません。

 服装は動き易ければなんでも良いのですが、靴だけはグリップの良いものを使いましょう。堤防やテトラポット、岩場の濡れているところは滑りやすくリスクが高いので注意が必要です。


フィールドとタイミング

 チヌはいろんなところにいますが、より魚影が濃く、アクセスしやすい場所を選びましょう。

 後ほど詳細は説明しますが、河川下流域や河口、防波堤、テトラポット帯、砂浜などエサとなるカニやエビが豊富なポイントが候補になります。

 また、有力なポイントを見逃していることも多いため、Googleアースを使って釣れそうなポイントを探してみて下さい。その際、陸上の地形との関連性も考察すると新たな発見があります。釣れるポイントはどうして釣れるのか、自分なりにルールを作れればそれと同様のポイントを見つけやすくなります。

チヌの居場所
(クリックで拡大)

 

 タイミングについては、基本的に朝マズメと夕マズメがベストです。

 ただ、日中でも釣れますので潮が動いている時間をタイドグラフ(潮見表)で確認しましょう。逆に、潮が止まる干潮、満潮時はやはり厳しいです。
 また、大物ほどフィーディングタイムが短いため、1日のうちでいつがゴールデンタイムなのかを考えていきます。

 このほか、雨が降った後の河口は濁りが入りますのでチヌの警戒心が薄れますので、天候にも注意します。
 どのタイミングについても、基本はチヌが安心してエサを取れる状況となっています。

 そのため、エサとなるカニやエビ、小魚などのベイトの動きにも注意を払います。

チヌのエサ
(クリックで拡大)

釣り方

 その場所、そのタイミングでチヌが食べているエサを推理し、それに合わせたルアーを使って狙います。

 とはいえ、基本はエビやゴカイをイメージしたボトムズル引きで、壁面についているカニや貝を模した落とし込みスタイル、ベイトが小魚で活性が高い時はホッパーのトップゲームなど確立された釣り方から選んでいきます。

  • ボトムズル引きイメージ
チニング:ボトムズル引き
  • 落とし込みイメージ
チニング:落とし込み
  • トップゲームイメージ
チニング:トップゲーム

最初の1尾を釣るための具体的な釣り方3選(シーン別)

 多種多様な釣り方が紹介されており、どれに取り組めば良いのか迷いますよね。

 一つの釣り方にも細かなコツや必要な知識が異なるため、できれば1尾を釣るまでは一つの釣り方に集中して取り組み、その釣り方での経験と知識を蓄積することをオススメします。

 ここでは3つのシーンを紹介していますので、近くの釣り場と同じシーンから取り組まれてはどうでしょうか。

河川でのチヌの釣り方

タイミングとポイント

 満潮と干潮で河口域は潮の出入りが逆になります。チヌは、満潮の海水が河を遡るタイミングで岸よりにエサを探しながら遡上し、干潮時には流心に沿って海へ向かう傾向があるようです。つまり、満潮に向かっている時と干潮に向かっている時で釣る場所が変わります。

 また、雨などの天候の影響も大きく受けます。濁りだけでなく、雨が降ると海水よりも冷たい川の水が増水するため、水温の低下がチヌとエサの活性に影響を与えます。

 ただ、あまり深く考えずに上げ三分、下げ七分の前後を狙って、いろんなコンディションで釣って経験を溜めて下さい。

 ポイントは、大河川であればミオ筋などの深場よりもエサを追い込みやすい浅瀬に近いカケアガリ、大きな岩が沈んでいたり、捨て石やテトラポットがあるところ。また、水路などの流れ込みがあるところや橋脚周りなども有望です。
 対岸までキャスト可能な小河川では全域が狙えるため、ランガンスタイルで水路の流れ込みや淵などなど少しでも変化のある場所をドンドン攻めていきます。

釣り方

 
 最も初期からチニングで成果の出ているボトムズル引きで、ルアーを通しながらしっかりエビのイメージのアクションを入れます。

防波堤でのチヌの釣り方

タイミングとポイント

 基本的に潮が動いていればタイミングとみて大丈夫ですが、やはりマズメ時が有望です。イガイやイワガニを使った落とし込みのエサ釣りでは日中でも普通に釣れますので、先入観をあまりもたないのが良いかもしれません。

 ポイントはケーソンの継ぎ目やブロックの崩れ、先端の流れにヨレがあるところなど。特に、チヌが大好きなイガイがしっかり着いている場所は好ポイントです。

釣り方

 防波堤壁面についているイガイや海藻に棲んでいるイワガニなどをチヌは狙っています。また、貝類も割って食べれる歯を持っているため、イガイ自体も好物です。特に、壁面を落ちてくるエサに反応するため、自然とフォールするエサを演出します。動画ではラインに目印をつけていますが、なくても糸ふけと竿先であたりと取ることは可能です。

砂浜でのチヌの釣り方

タイミングとポイント

 タイミングは特にマズメ時が有効です。ホッパーで釣るということは、小魚が浅瀬に追いやられて逃げ場を失い、水面に飛び出そうとしている状況の演出のため、ベイトである小魚が寄っていることが前提になります。

 ポイントは、少しでも地形の変化があるところを探します。岩礁帯が近くにあったり、急に深くなっていてカケアガリがあるところ、小河川の流入や伏流水があるところ(背面の山岳地形から推理)などです。チヌはカケアガリに沿って移動したり、そこの溝に沿って浅場に近づいてきたりします。また、河川からの流れ込みはミネラルなどの栄養素を含むためエビなどのエサが豊富なことがあり、チヌが寄りやすいです。

釣り方

 びっくりするくらい浅瀬でも釣れます。ホッパーのカップを上手く使ってパシャ!としぶきを上げる練習ができれば効率が上がります。もし、どんなベイトが入っているのかがわかれば、それに合わせたルアーサイズを使用します。

まとめ

 チニングに挑戦してから、最初の1尾を手にするまでの流れを紹介しました。

 身近で手軽にチヌを狙えるチニングは忙しいサラリーマンでも腰を据えて取り組める釣りです。また、簡単に釣れるわけでもないため、しっかり推論を持って臨むゲーム性も持ち合わせています。

 強力な引きと、美しい魚体のチヌに是非出会ってみて下さい。

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