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チニング用ハンドメイドルアーの作り方(シンキングミノータイプその1)

記事の内容

 チニング用のハンドメイドルアー製作について紹介しています。
 今回は、水底にいるエビをイメージし、チヌに追われて逃げる様子を再現することをコンセプトにしています。製作過程を細かく紹介したので、自作ルアーの参考として下さい。

向田
チヌをルアーで釣るチニングは、近年ジャンルとして確率され、毎年新しい釣り方やリグ、ルアーが開発されていますよね。
チヌ吉
だけどね、どうして僕(チヌ)はそのルアーに食いつくのか、どういったアクションが有効なのか、どういったシーンで使うのかなど、いざ使うとなると疑問が沢山だよ!
向田
チヌの習性を知り、チヌの気持ちになってルアーを作ってみたら、そんな疑問がちょっと解けそうです。ハンドメイドは大変ですが、手間暇かけて最高の一尾を狙いましょう!

ルアーコンセプトと設計

チヌの摂食シーンのイメージとコンセプト選定

 多種多様なエサを食べるチヌですが、その中でも間違いなく大好物であろうエビをモチーフにしてみました。

 チヌがエビを捕食する状況としては、河口や砂浜、磯などあらゆるシーンが想定されます。その中で、最も私たちの生活圏に近い河口に絞り、砂礫質の底や敷石、テトラポットなどに潜んでいるエビをチヌが捕食するシーンをイメージして進めました。

 状況としては、河口でのんびり過ごしていたエビが突然チヌに追われて逃げ惑うアクションを想定し、チヌに捕食スイッチが入るような誘いができることをコンセプトにしました。


ルアーデザインと設計

 求められるアクション・機能は、

  • 底を取れること
  • エビが逃げる際の後ろ飛びを再現すること
  • 着地姿勢がハサミを振り上げて威嚇しているように見えること

と考えました。

そのため、ボディー形状がZの形で、シンカーが片方に寄ったデザインが必要となります。
また、アウトシンカーとすることで最大限バルサ素材のボディが起立姿勢とるように調整し、型紙を作成しました。

①エビのイメージで元となる型紙を切り抜きます。外殻っぽい型紙は後ほどアルミ箔を切り抜くために使う型紙になります。
②型紙を利用してバルサ板(厚さ5mm)へ形を書き写していきます。2枚を貼り合わせて作るため、表と裏それぞれをトレースします。

「チヌ海老」プロトタイプの製作過程

バルサ材の削り出し

③トレースした型に余裕を持たせて四角く切り出します。表と裏で貼り合わせますが、後ほど剥がすことを考えてボンドは最小量にします。
④2枚を貼り合わせます。縦と横に目印をつけて、型紙にズレが出ないように注意して行います。
⑤まずは、上面と下面の不要な部分を型に沿って削り出していきます。特にカーブが強い部分は慎重に行います。
⑥左右についても不要部分を切り出していきます。左右は先端が細くなるため、削りすぎないようにゆっくりバランスを見ながら削ります。
⑦左右の削り出しが終わったら、角をとってエビらしい丸みを出していきます。
⑧真ん中から左右のボリューム感が均一になるように微調整をしていきます。また、太さなども揃えていきます。
⑨400番前後のサンドペーパーで磨き上げ、ボディー形状の最終調整をします。それができたら、薄刃のカッターナイフを貼り合わせた部分に差し込み、2枚に切り離します。

ワイヤーフレームの成形と埋め込み

⑩杉板に型をトレースし、釘を打ってフックアイのポジションを決めます。それに沿ってペンチで形を作っていきます。ワイヤーはステンレス針金1mmを使用しました。
⑪ワイヤーを蝋燭の火で炙り、火入れをします。やや硬度が上がり曲がりにくくなります。色も銀色から赤銅色に変化します。
⑫ワイヤーフレームの位置を決めて、埋め込むための溝をトレースしていきます。
⑬ルーターを使って溝を掘っていきます。両サイドはバルサが薄くなっているため、貫通しないように気をつけて掘ります。
⑭溝にボンドを注ぎ、その他の面にも満遍なくボンドを塗ります。あまり多すぎるとはみ出してカラーリングに影響が出ます。
⑮ワイヤーを溝に入れ、貼り合わせます。はみ出たボンドはなるべくボディーに付かないようにし、輪ゴムでグルグル巻いて乾燥するまで圧着します。乾燥後は、数回セルロースセメントにどぶ漬けを行い、硬度を上げておきます。

コーティングとカラーリング

⑯エビの殻を模した型紙を利用して、アルミ箔を裏表で切り出します。繊細な作業のため、デザインナイフが使いやすいです。
⑰アルミ箔は多少伸びるため、事前にボディーに重ねて馴染ませたのち、セメンダインで接着します。
⑱エアブラシを使ってカラーリングしていきます。今回はホワイトベースにピンクを加えています。塗料はMrカラーを使いました。
⑲ベースのカラーができたら、細部を筆で書き足していきます。
⑳ボディーカラーが完了すれば、いよいよ目の装着です。ポンチを利用して目を入れる穴を作り、左右均等になるようにして装着します。
㉑目入れが完了すれば、ボディーの最終コーティングに入ります。十分厚みが出るまで、セルロースセメントに20回以上どぶ漬けを繰り返します。

フックの作成とブレードなどの取り付け、完成

㉒フックは市販のもので問題ありませんが、エサ釣り用のチヌ針を加工してルアー用に改良しました。
㉓作成には毛ばりを作る道具を使いました。タイイングバイスといいます。
㉔スプリットリングをひっかけるために、シーハンターというケプラーを編み込んだ紐を少し使います。
㉕リアフックには、フラッシング効果とエビの手足のモジャモジャ感を演出するために装飾を施します。
㉖ボディにフックを装着して完成です。
㉗リアフックをコロラドブレードに取り替えたバージョン。ブレードの回転が加わるのでアピール力が向上します。

 

ハンドメイドルアー:チヌ海老

 サイズ:50mm
 ウエイト:6g前後(アウトシンカーで±2g程度増減可能)
 カラー:シロエビ
 素材:バルサ、セルロースセメント
 フック:標準装備はチヌ針をベースにハンドメイド

水中アクションの確認

 水中アクションとしては、おおむね目的通りの動きが確認できました。

  • リフトアンドフォール
    2回から3回しゃくり上げたのち、テンションフォール、着底後に数秒待ってバイトチャンスを作ります。アウトシンカーは取り替え可能なため、フォールスピードと飛距離を調整可能。
  • 低速タダ巻き
    Zの形状が弱いリップの働きをするため、緩やかなウォブルで泳ぎます。表層から中層狙い。

 また、リアフックをコロラドブレードに取り替えると着底後にリアが持ち上がりませんが、ブレード回転による波動がアピールし、リフトアンドフォール、タダ巻きともに違ったテイストを表現できそうです。

まとめ

 エビの後ろ飛びアクションをイメージしたハンドメイドルアーの作り方をご紹介しました。

 製作にかかる時間が多く、毎日隙間時間でちびちび進めた分、完成した時はちょっと感動です。アクションもバルサ材ならではの高浮力が有効に働き、目論見通り水底で起立姿勢が取れました。

 チヌに追われて逃げ惑うエビを演出するという前提で作ったことから、水中のアクションやポイント選びなどもしっかりイメージを持ってできそうです。実釣と検証はまた次の機会に紹介していきます。

ただ、手間隙かけた分、もし根がかりなどでロストすれば泣いちゃうかもしれません。

やっぱり釣れた!

ニゴイがリアフックにヒット

チヌじゃなかったですが、夕マズメの加工にて30センチくらいのニゴイがヒット。ほぼ足元で食ってきました。

リアフックにしっかりかかっているので、ルアーの上からカプっといってくれたようです。

レッドカラーのチヌ海老
チヌ吉
あれ!?チヌじゃないね!

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