一般的なオフセットフックのメリットは、針先がワームの中に隠せることから、根がかり回避能力が挙げられます。しかし、ストレートフックと比べて根がかりは同程度発生するといった意見もあり、過信はできないようです。
また、オフセットフックも種類が豊富で、それぞれに適した使い方があります。
オフセットフックの特性をよく理解して、的確にストレートフックと使い分けることが大切になることから、その判断基準を自分の中に持つことが重要です。
Table of Contents
オフセットフックを的確に使う
オフセットフックの種類別の特性とメリットが判別できるようになると、リグを適性に組めるだけでなくフッキング率の向上など様々な効果が期待できます。
また、チニングで一番期待したい根がかり回避率を高めるコツについてもまとめています。
オフセットフックの種類
オフセットフックには数多の種類がありますが、基本的にシャンク(Shank)とゲイプ(Gap)の組み合わせから4パターンに分けられ、使い方や特性も変わってきます。
- シャンク(針の軸)
シャンクのショート、ロングについては基本的に使用するワームのサイズに合わせます。長短の他には、太さと細さで分けられますが、フッキングとバラシなど釣り味に大きな差が生まれる要素です。 - ゲイプ(針の曲がり)
ボリュームのあるワームではワイドゲイプ、スリムなワームではナローゲイプが選択肢となります。また、ワイドではかかりが良いがバラシやすい特性や、ナローではショートバイトには弱いがしっかりフッキングしてバラシが少ないなどの差があります。
また、アイが縦か横かの違いも重要で、水中でのワームの姿勢やリグの作りやすさなどに影響します。
特にチニングでは、後述しますが太軸で縦アイが良いとされる意見もあります。
オフセットフックのメリットとデメリット
ザックリとストレートフックに比較してオフセットフックがどのようなメリットとデメリットがあるのか、オフセットフックの種類ごとにどのようなメリットやデメリットがあるのかについて上記にまとめました。
どれが答えということはありませんが、チニングでよく使うシーンを考えるとややワイドゲイプで太軸、縦アイの出番が多そうです。
なお、ゲイプが広いものをワイドゲイプと言いますが、オープンゲイプという種類もあります。
このオープンゲイプは、針先が外に向かって開いているもので、メリットはショートバイトを捉えやすいことやワームを吐き出す時にかかりやすいといったことが挙げられます。一方で、針先が開いていることからかかりが浅くなるほか、針が伸びやすいといったデメリットがあります。そのため、ターゲットの特性に合わせて使い分けます(アジングには特に有効)。
オフセットフックで根がかり回避率をちゃんと高めるには
オフセットフックの良さも、リグの組み合わせ次第で十分活かせないことがあります。
特に根がかり回避率を高めるために必要なこととして以下のようなことが挙げられます。
- 浮力のあるクロー系ワームをセットする
チヌは、垂直姿勢で立ってゆらゆらしているワームに良く反応します。そのため、浮力のあるワームが市販されており、当然針先がストラクチャーに触れにくくなることから根がかり回避につながります。また、細かいですがステイ中にルアーが横に寝てしまったらフックがストラクチャーに触れやすくなって引っ掛かりすくなりますので、リグの組み方で横倒れしにくい工夫が有効になります。 - シンカーはタングステンを使ってみる
タングステンは鉛よりも比重が大きいことから底質をシャープに捉えることができます。そのため、根がかりの予兆を早く掴んだり、根がかりリスクの特に高いエリアに気づいて強引にトレースしないなど予防策が打ちやすくなります。 - 針先をしっかりワームに埋め込む
まあ、当たり前ですが針先が隠れていたら根がかり回避能力は向上します。ストラクチャーが複雑でいかにも根がかりしそうであれば、思い切って針先をワームに埋め込んでみると釣りやすくなります。肝心のフッキング率はそれほど下がらないようで、バラシのリスクよりも根がかり回避のメリットが勝ります。
過信はできませんが、ストレートフックよりも明らかに根がかり回避が期待できる他、リグの組み方や使用するワームの特性も考慮するとさらに回避性能が向上していきます。
チニングとバスフィッシングでオフセットフックの使い方は違う
オフセットフックはバスフィッシングとともに進化してきました。そのため、ブラックバスのエサの食べ方と口の形状にマッチするようになっています。
チニングにオフセットフックを流用するという考え方では、ブラックバスとチヌのエサの食べ方の違いと口の形状の違いを知っておく必要があります。
チヌの口は硬い
イラストの通りですが、強力な顎と歯を持っています。
最前列は噛み切るために犬歯のような鋭く刺さる歯が並び、その後ろには多数の砕いてすり潰すための歯があります。貝やカニなど硬いエサをよく食べるため、それらを砕けるだけの顎の力もあります。
これだけ沢山の歯が並んでいるため、当然フックが刺さりにくいのは想像できます。
口の固さに負けないシャフトの太いフックを使うか、いっそのこと小さなフックを使って唇の皮に引っ掛けるような戦略になっていきます。(落とし込み釣りでは、非常に小さなフライフックを使って、口周りの皮に引っ掛ける釣り方があります。)
どのシーンでオフセットフックを使うべきか
チニングでは底を取りながらワームをズルズル引くスタイルが確立されており、どうしてもストラクチャー周りを攻めることになります。そのため、自分でゼロダンリグなど自作する場合、ワームに合ったオフセットフックを選ぶことは根がかり回避に有効な一手となります。
逆に、チヌ針などのストレートフックはチヌへのフッキングに優れるため、ストラクチャー回避やワームの制約がないならば選択肢となってきます。
つまり、ストラクチャーの多いゴロタ石周りなどで底を狙う場合が第一選択となってきます。
まとめ
ストレートフックだけでなく、オフセットフックについても使い分けることができればチニングの幅が広がります。
特に、底狙いのリグを作る際には根がかり回避に役立ちます。
しかし、チヌの硬くて強い口にフッキングすることを考えると、軸がしっかりしつつ、貫通力の高いフックを選ぶ必要があります。
そして、フック自体の重さや大きさがリグやワームの動きに大きく影響することから、自然なベイトを演出する上で的確なフックをその時々で選んでいきましょう。
チニングでワーム用リグを作る際に、オフセットフックを使うことが有効なのか!?について調べたことをまとめ、考察しています。
特に、ブラックバスで使用する場合との違いがどうして発生するのか?や、チニングではどんなオフセットフックが有用なのかについても紹介しています。