ちょうどルアーと同じくらいのサイズ(7センチ前後)にボラの稚魚が成長するのが春頃になります。
河口に群れで泳いでいますので、ボラをチヌが食べに来るシーンとしては、かけ上がりの深いところから水面を泳ぐボラを突き上げるような捕食が想定されます。
そのため、ルアーの使い方としてはボラ稚魚の群れが発生している前提で
より捕食しやすい浅瀬よりをトレースするなどの方法が有効と考えられます。
目次
ボラの生態
和名:ボラ(鰡、鯔)
学名:Mugil cephalus
分類:ボラ目、ボラ科、ボラ属、ボラ
体長:80cm以上に成長する
分布:世界中の熱帯や温帯の海に生息し、日本では北海道以南となる。基本的に海水魚で河川や内湾の汽水域に多く分布するが、幼魚の頃は群れで河川に侵入する。汚染に強いため、都市部や工業地帯の河川でも良く見られる。
生活:産卵期は10月から1月頃で、南方の外洋へ回遊するが産卵域や産卵の詳細は不明とされる。卵は直径1mm程度の浮遊性卵となっており、海中に浮遊しながら発生する。数日後には孵化し、稚魚は沿岸域にやってくる。3〜4年で成熟し、寿命は5年ほど。餌は有機物や藻類を砂泥と共に口に入れて食べるが、多毛類(ゴカイなど)や甲殻類(エビやカニ)も摂餌する。
ボラについて
私は兵庫県の出身のため、ボラは身近にいるものの身は臭く、かつ寄生虫などのリスクもある食べられない魚という印象を持っていました。
しかし、秋田県に来てスーパーにボラの刺身が並んでいるのを見て驚きました。
身は白身の中に美しい赤の模様が入る様相で、マダイを思わせる美しさです。もちろん味もマダイに匹敵する旨さでした。
どうやら、産業革命以前のまだ日本の河川が汚染させる前には「身近にいる大きくて旨い魚」だったようです。そのため、非常に残念なのですがそれ以降は河川の水質悪化が進んだことでそのイメージが無くなってしまいました。
特にボラはデトリタスというプランクトンなどの死骸が堆積した有機沈殿物を主に食べることから、どうしても汚れに直結した摂餌行動のため汚染の影響をすぐに受けます。環境問題を考えさせられる機会となりました。
ちなみにボラは出世魚となっており、ハク(2〜3センチ)、オボコ(3〜18センチ)、イナ(18〜30センチ)、ボラ(30センチ以上)、トド(大型のもの)となります。60センチほどの個体でも、よく河川や海岸で見られます。
ボラをモデルにハンドメイドルアーを制作
チニングルアーを前提に、チヌがベイトとするなら?というイメージでルアーを作ってみました。
サイズは7センチで、オボコと呼ばれるボラになります。地域によりますが、このサイズのボラが群れで河口に侵入してくるのが2月から5月頃のため、初夏の河口チニングでの使用を想定しています。フローティングで、水面付近をゆらゆらと泳ぎ、オボコの群れの下から狙っているチヌに見つけやすいアクションで使いたいな〜と。
実釣しつつ、もっとリアルで釣れるように改良を進めたいと思います。
まとめ
ボラの群れの下からチヌが釣れた!という報告は度々耳にします。
シーバスなど他の魚食魚にとっても重要な餌となっていることは間違いありません。
河口でボラの稚魚(オボコ)の密度が高まる時期には、ボラをベイトとして想定したチニングも面白いと思います。
ぜひ、推理とストーリーのあるチニングで楽しい!を体感してみて下さい。
ボラはチヌのスタンダードなベイトになっているため、チニングのルアー選択に有効です。
適切にボラルアーを使うために、ボラの生態を紹介します。
また、その上でどんなルアー演出が有効か考察しています。