ルアーカラーって多すぎると思いませんか?
- どの色が釣れるのか、どんなバリエーションで揃えればいいのかわからない。
- それぞれのルアーカラーの効果や意味について知って、使い分けたい。
そんな疑問を持ったので調べてまとめました。
なんとなく選んだカラーで釣れたとき、次もその色を何故か使ってしまいますよね。
このカラーを信頼している!って気持ちが大事なんだ!ってアドバイスも、もらったことがあります。
しかし、釣れた実績があるからその色に間違いはないですが、もっと的確なカラーローテーションや選定ができれば釣果が上がるかもしれないです。
また、カラーセレクトをしっかり考えてやると釣りが戦略的になってより面白くなります。
今回は、ルアーカラーの効果や有効な使い分けについて紹介していきます。
目次
チニングルアーのカラー効果について
ルアーの銘柄ごとに様々な名前のカラーがついていて、デザインもどんどん新しいものが出てきています。
そのため、無数にバリエーションがあるように思いますが、ナチュラル系やアピール系などカテゴリーで分けていくとシンプルに整理することができます。
バリエーションを大まかにつかんで、状況に合わせたルアー選択とローテンションを習得していきましょう!
主なカラータイプ
カテゴリーで分けると、上記の通りとなります。
- ナチュラル系
ベイトのリアルカラーを再現したもので、アピール力はやや弱くなります。その時々にチヌが捕食しているベイトに合わせてカラーをチョイスします。ポイントは、ベイトごとにどの季節がルアーサイズと同じくらいまで成長しているのか調べておくことです。例えば、7月頃には7cmほどに成長したボラの稚魚が河口域で群れを作っているので、それに合わせて7cmのプラグを使うといった具合です。 - 強アピール系
ゴールド系やホログラム系といった光の反射が強いものや、蛍光色といった目立つカラーであるチャート系などが含まれます。目立つため、広範囲にアピールして集魚効果を狙う場合や、水質が濁っていたり、暗い時などルアーが見えにくい時に使われます。 - 弱アピール系
マット系やホワイト系、パール系などが含まれます。フラッシングがないためアピール力が抑えられたカラーで、アピール系のカラーに反応が悪くなった時や、チヌが低活性の時に活躍します。逆に、遠くからチヌに見つけてもらうことが難しいため、比較的狭い範囲を探るイメージです。 - クリア系
透明なボディーのルアーで、多少カラーリングが入っても全体的に色がついていないものを指します。太陽光を屈折させるため透明でもアピール力があるほか、多くのプランクトンが透明であるためチヌも透明なルアーでもしっかり見つけてくれます。他のカラーで反応がない時に有効であったりしますが、暗くなると急激にアピール力が低下します。ただ、夜でも満月時や常夜灯周りは有効です。 - シルエット系
パール系は、濁りの入った時や曇りにはシルエットが浮かび上がって効果を発揮します。ブラック系も実は強力なアピール力があり、周りに少しでも明るさがあると黒くルアーが浮き上がってきます。一方で、ディープレンジではそもそも暗いのでブラック系の効果が薄くなります。アピール力が強いため、スレやすい傾向もみられます。
それぞれの役割を使いたいシーンに合わせてチョイスしていきましょう〜。
カラーごとに期待される効果
同じパール系やチャート系などでも、赤が良いのか、青が良いのか悩みどころでもあります。
色味がどんな効果発揮するのかは2つの視点で考えることができます。
- ルアーに当たる光の強さで見えやすい色と見えにくい色がある。
水の中では、深いところほど赤い色が届きにくく、青い色ほど深く届きます。そのため、赤色は深いレンジを通すと灰色に近くなってしまいます。逆に浅いところでは赤色の光が十分あるので発色が良く、アピール力も期待できます。
しかし、難しいのは目立てば良いと一概に言えないことです。アピール力を落とした時が良いケースがあるため、色によって見えやすさが変わるという前提でルアーローテーションしてみるのが良さそうです。 - ベイトカラーに合わせる。
少なくとも、チヌが色を識別できるなら赤や青や黄色に何かしらの意味があるということです。また、必ず生存に関わるエサを見分けるという目的があるため、ルアーカラーをその時食べているベイトに合わせてみるという考え方があります。
そう考えると、自然界にないカラーでどうして釣れるのかが不思議ですが、まだ解明されていない理由があるのでしょう。
チヌの目にルアーカラーはどう映っているのか?
自分が釣れそうだと思うカラーはチヌにとっても旨そうなのか?
なぜ、自然界にないカラーで釣れるのか?
チヌの目線でルアーについて考えみようと思います。
チヌは色を判別しているのか?
完全に解明されていませんが、結論からいいますと色を判別していると考えられています。
理由は以下の通りです。
色を判別する錐体(すいたい)という網膜内の細胞が、チヌにも人間にもあります。
さらに、それは赤、青、緑の三色を識別する細胞に分かれます。
ちょっと専門的になりますが、錐体内に存在するオプシンという物質が光を吸収することで色を認識することができます。赤を良く吸収するオプシン、青を良く吸収するオプシン、緑を良く吸収するオプシンが確認されていて、どのオプシンをもっているかで赤を識別しているのか、青を識別しているのかが分かります。
この3種類のオプシンをチヌはもっていると分かっていることから、どうやらチヌは色を認識していると考えられています。
さらに、紫外線を良く吸収するオプシンもチヌはもっていると報告されています。人間と同じ3色色覚に加え、人間には見えない紫外線も見えているようです。
どうやら、幼魚のときにプランクトンを見つけやすくするという意味があるみたいです。
つまり、チヌは4色の色覚があると言えますが、人間と同じように見えているのかまだまだ研究が必要なようです。
夜と昼でルアーカラーの使い方は全く変わる!
昼と夜ではチヌにとって全くルアーの見え方が変わります。
夜になると、網膜にある錐体細胞から桿体細胞に切り替わり、色を判別できなくなるためです。
両細胞の役割は以下の通り。
- 錐体細胞(すいたいさいぼう)
色覚を司り色を判別する。 - 桿体細胞(かんたいさいぼう)
色を判別できないが、明暗に非常に敏感に反応する。
もともと夜は光が少ないため色が見えなくなります。そのため、色の判別をやめて明るさに特化した見え方に変わります。つまり、色はわからないが、わずかな光にも反応できるようになるということです。
ルアーカラーで考えると、どんなカラーも灰色になってしまい、より明るい灰色か、より暗い灰色かに置き換えられます。
そのため、常夜灯や月明かりなどのわずかな光をどのように利用するのかを考えていきます。
ただ、その通りではない釣果報告も多く、真っ黒のルアーと真っ白のルアーで釣果に差がないといった調査もあり、色以外の要素も大きく関わっていることを忘れないようにしましょう。
チヌの視力、どのくらい遠くから見ているのか?
色が判別できても、そもそも見えてなかったら意味がないため、チヌの視力についても調べました。
チヌの視力は0.14といわれています。
他の魚種では、メジナが0.13、マダイが0.16であり、多くの魚は0.1から良くて0.5といった範囲に収まっています。
つまり、チヌの目は良くはない!
ちなみに、視力0.14とは1cmのエサを見つけるために5mの距離まで近づく必要があります。
6cmのルアーなら30mの距離で気づいてもらえます。(十分透明度が高く明るい場合)
ここでは触れませんが、チヌのみならず多くの魚は側線で水の振動を感じたり、非常に鋭敏な嗅覚を持っていたりしており、視力の低さを補っています。
チヌは、目で見えなくてもエサに気づくことができる。
そのため、見た目以外のルアーの演出も重要であると言えます。
まとめ
多種多様なルアーカラーが発売されていますが、その意味と有効な使い分けについて考えてみました。
重要なことは、
- チヌから見たルアーと、人から見たルアーが同じに見えていないこと。
- チヌの視点について可能な範囲で理解し、自分本位で戦略を立てないこと。
- その上で、どんなシーンでどのカラーを使えば有効か仮説を立てること。
が挙げられます。
例外は常にあるという前提で、根拠あるルアーカラーの選び方を考えました。
本当に効果的なカラー選択について考察
ポイントとして、
- 色は4色色覚で判別できているので、カラー選択に一定の意味がある。
- 視力は低く、1cmのサイズを見つけるのに5mまで近づく必要がある。
- その時チヌが食べているベイトに合わせる。
- ルアーの見えやすさ=アピール力をシーンに合わせて強くしたり弱くしたりしてみる。
- 匂いや音(水の振動)など、色以外の集魚要素があることも考慮する。
の5点を前提にルアーセレクト。
マッチザベイトはリアルカラーが効果的、水質や明るさに合わせてアピール力を調整します。
明け方の護岸付近で甲殻類を捕食しにきているチヌを狙うなら、
日中のサーフでイワシの回遊に合わせて集まってきているチヌを狙うなら、
といった考え方ができると思います。
このカラーが釣れる!と一概に言えないところが面白くもありますが、それぞれのカラーに根拠を持つと検証ができるので自分なりの釣り理論が深くなっていきます。
ぜひ、いつものフィールドの状況を思い描きながら、カラーセレクトを見直して釣果アップを狙ってください〜。
チニングで使うルアーカラーの使い分けや効果についてまとめました。
また、チヌからはルアーがどのように見えているのかについても紹介しています。